■成年後見(法定後見) ■任意後見 ■見守り契約 ■保佐・補助
成年後見人制度とは、認知証、知的障害、精神障害などで、判断能力が欠く常況である場合、 申立により裁判所が成年後見人を選任し、その成年後見人が本人を代理して法律行為を行い、 財産を管理していく制度です。
本人の判断能力の程度で、成年後見、保佐、補助の制度に分類されます。
成年後見人に選任されるのは、本人の親族等が選任されるケースと、 司法書士や弁護士などの専門家が選任されるケースに概ね分かれますが、 その選任は家庭裁判所が判断することとなります。
ですので、成年後見申立人のご親族がご自身を後見人として推薦した場合でも、必ずしもその通りの選任がなされるとは限りません。
大川司法書士事務所では、ご家族が後見人になられる成年後見人制度のご相談から、 当司法書士など専門家の成年後見人選任を希望されるご相談まで、幅広く成年後見に関するご相談をお伺いいたします。
また、本人の判断能力がある内に、自身の後見内容(後見人や代理権の範囲など)をご自身で決定し、 将来の後見人と任意後見契約を締結して、将来に備える任意後見の制度もあります。
成年後見人はご本人及びそのご家族等の関係者と、 日頃よりコミュニケーションを取り、 円滑に意思疎通を行いご本人様をご支援していく必要があります。
1日で駆けつけることのできないような遠方の専門家や腰の重い専門家を後見人に選任してしまうと、 円滑なコミュニケーションが阻害される場合があります。
大阪で専門家を成年後見人としてご検討されている場合は、 フットワークが軽く気のおける大阪近辺の専門家を選任推薦することをお勧めします。
また、介護施設などで財産管理を必要とする方がおられ、 成年後見制度の利用が必要であれば、柔軟にご相談をお伺いいたしますので、 介護施設関係者からのご相談もお待ちしております。
成年後見(法定後見)
本人の「判断能力が欠く常況」である場合は成年後見の適用類型になります。
ご家族等の家庭裁判所への申立により、成年後見人が選任され後見が開始されます。 後見人は、本人を代理し、本人の財産を管理します。
時には判断能力に欠く本人が所有する不動産の売買や遺産分割協議の前提として、 本制度を利用される場合がありますが、 本人に不利になるような売買や分割協議はすることができませんし、 適法な手続の結果、受領した金員は、本人のために保管、利用されなければなりません。
ご家族が後見人になり、本人に不利な契約をした場合、 新たに選任された成年後見人より不利益額の返還請求をされることもありますので注意が必要です。
また、本人と成年後見人との契約は、利益相反行為として効力が否定されるので、 これも注意が必要となります。
本人と成年後見人が利益相反行為に該当する行為をする必要があるときは、 別途家庭裁判所の特別代理人を選任する手続が必要となります。
また、後見人は家庭裁判所(後見監督人が選任された場合は後見監督人)への報告義務があるなど、 成年後見人は注意義務を尽くして職務を遂行する必要があります。
なお、専門家後見人の実績としては、弁護士より司法書士の方が選任数が多く、 司法書士は業界全体で、成年後見制度を支援する環境が整っております。
また、成年後見制度の利用者の事項(成年後見人などの権限、任意後見契約の内容等)を登録する成年後見登記も司法書士の業務となります。
成年後見に関するご相談は、是非、司法書士へのご相談をご検討ください。
任意後見(任意後見契約)
任意後見は、ご本人の判断能力がある内に、ご自身の後見の内容(後見人や代理権の範囲)などを決定し、 将来の後見人と任意後見契約を締結します。
この契約は公正証書でする必要があります。
ご本人が判断能力を欠く状態になれば、 後見監督人の選任がなされ、 後見監督人が就任すると任意後見契約の効力が発生し、後見が開始されます。
法定後見と任意後見とが併存することはなく、 自己決定権尊重の観点から任意後見が優先され、 任意後見中は、特に必要と認められる場合に限って法定後見に移行できます。
法定後見人と任意後見人は権限に差異があり、 任意後見人は本人を代理することはできても、 本人の行った法律行為を取り消す権限がありません(法定後見人は取り消せます)。
もし取消権を行使しなければ本人の権利を守ることができない状況になった場合は、 法定後見への移行を検討しなければならない場合もあります。
任意後見から法定後見に移行した場合は、任意後見は終了することとなります。
このような差異をよく検討し、十分に信頼できる方と任意後見契約を締結する必要があります。
見守り契約
任意後見契約を締結後、任意後見の効力発生までの間、 後見人予定者がご本人の財産管理のお手伝いや健康状況などの安否確認をする契約です。
この期間は、ご本人が元気なうちに意思疎通を図り、 適切に後見を開始させ、また後見開始後、スムーズに後見人の職務を遂行するための準備期間とも言えます。
任意後見契約をする場合は、併せて見守り契約を締結する場合が多く、 ご本人、後見人の双方の観点から、併せてご検討されることをお勧めいたします。
保佐・補助
保佐は「判断能力が著しく不十分」、 補助は「判断能力が不十分」な場合の適用類型になります。
保佐・補助は成年後見より、比較的ご本人に判断能力がある場合に申立し、 または家庭裁判所に判断され適用されます。
ご本人の状況をよく検討し、成年後見・保佐・補助のどの申立をすべきかを考える必要があります。
保佐・補助開始後は、保佐人、補助人がそれぞれ本人を支援していくことになりますが、 この両者は成年後見人と異なり原則的には代理権がなく、 取消権の行使により本人を支援し、本人を守ります。
代理権が必要な時は、成年後見人のような包括的代理権ではなく、 代理権の範囲を具体的に決めて、別途家庭裁判所に代理権の付与を申立する必要があります。
代理権を付与する場合は、必ず本人の同意を必要とします。
*当ページに記載の説明は、あくまで一般的なことを説明したものであり、 例外が数多く存在します。ご自身で専門的な判断をされないようにお願いいたします。
ご依頼・ご相談・お問い合わせについては、当事務所へお電話を頂くか、 こちらの メールフォーム をご利用ください。