現在の債務整理の一般的な方法の一つとしては、 過去に利息制限法を超過する払いすぎた利息がある場合、 その払いすぎた利息を現在の債務に充当し、債務を圧縮した上で、 その債務を概ね3年の分割払いで返済していく債務整理方法があります。これが任意整理です。
利息制限法では、元本の額が10万円未満は20%、 10万円以上100万円未満は18%、 100万円以上の場合は15%、 というように利息の上限が決められており、 原則、これを超える利息は払いすぎた利息になります。 払いすぎの利息は債務元本に充当されます。
過払い返還請求については、払いすぎた利息の見直しをした場合に、 現在の残債務を超過する払いすぎたお金がある場合、 その超過部分について、払いすぎたお金=過払いの返還を請求することができます。
現在完済され債務のない方は、充当されるべき債務がないので、 払いすぎのお金全部が過払い返還請求の対象になります。 完済時の最終取引より10年以内であれば過払い返還請求が可能です。 お急ぎください。
払いすぎた利息がないケースで返済が苦しい場合、 払いすぎた利息を債務に充当しても、 なお3年で返済しきれない債務が残った場合は、 任意整理の方法で債務整理をするのは難しいと言えます。 このような場合は、裁判所を介した法的な債務整理方法の選択を検討することになります。 これが破産や個人再生です。
→債務整理の詳しい手続きの流れは、 コチラの 債務整理手続の流れ のページをご覧ください。
過払い返還請求
過去に払いすぎた利息がある場合で、現在完済して債務のない方や、 払いすぎたお金が現在の残債務を超過するほど存在する場合は、過払い返還請求の対象になります。
過去に消費者金融業者の多くは、29.2%の金利を設定しており、
このような金利で極度額の上限で融資と返済を繰り返した取引をした場合、
理論的には5年から7年くらいで元本がゼロになるほどの払いすぎがあると一般的には言われています。
(*実際には、取引条件や取引方法が各個人で異なりますのでご注意ください。)
場合によっては、過払い返還請求を訴訟の方法により消費者金融業者から過払いのお金を取り戻します。
→過払い請求の詳しいお手続きの流れについては、 コチラの過払い請求手続の流れのページをご覧ください。
任意整理
払いすぎの金利を債務に充当し、 その圧縮された残債を概ね3年の分割払いで返済をするというような裁判所を介さず債務を整理する方法です。
裁判所を介さずに債務を整理するので、中にはこれに応じず一括払いを請求してくる金融業者もあり、 取引相手によってはこの方法が適さない場合もあります。
しかし、中には将来の利息をカットしてくれる優良金融業者もあります。
継続的にある一定程度の返済原資があるのであれば、 自己破産や個人再生といった法的手続きよりも、 任意整理の方法を選択する方が比較的に容易に経済的再生が可能と言えます。
→任意整理の詳しいお手続きの流れについては、 コチラの債務整理手続の流れのページをご覧ください。
破産・自己破産
任意整理の方法で経済的再生が難しい場合は、 裁判所を介した法的な債務整理の選択を検討しなければなりません。
法的な債務整理の一つが自己破産です。
一般的には、年収の1.5倍の債務があれば、 金利を支払いながら債務完済するのは不可能であると言われています。 年収以上の債務があれば、法的整理の選択を検討しなければならないでしょう。
また、現在の収入からの借入返済原資で、 3年から5年で完済できないほどの残債があれば同様選択を検討することになります。
自己破産は、生活に最低限必要なものを除く財産を債権者に平等に配当し、 それでも足りない債務に関して免除を得る手続きになります。 したがって、所有する住宅や自動車などは手放す必要があります。
また、いかなる場合も全ての債務を免除できるというものではなく、 悪質な行為等があれば裁判所から免除の許可が出ない場合もあります。
→自己破産の詳しいお手続きの流れについては、コチラの破産手続の流れのページをご覧ください。
個人再生
個人再生は、破産と同様に裁判所を介した法的債務整理の一つです。
住宅ローンを除く債務総額が3000万円以内の場合は、 住宅ローンを除く債務を5分の1(最低100万円、300万円が上限)に圧縮し原則3年でこれを返済をしていく手続きです。
個人再生の最大の特徴は、自己破産と異なり債務が全額免除されることはありませんが、 住宅を維持できるという点です。
但し、住宅ローンに関しては債務は圧縮されません。 住宅ローンが多重債務の大きな原因となっている場合は、 住宅を維持する個人再生により経済的に再生することは困難な場合が多いと言えます。
個人再生の手続きは、破産の手続きを選択した時よりも債権者が不利にならないように法的に制度設計されており、 住宅ローンを完済されている場合は、破産と同様に住宅を売却しなくてはならない場合が多く、 個人再生を選択することによって自宅を維持するのは困難です。
住宅を維持できる個人再生にて経済的再生が可能と判断される方は、 住宅を維持できることは非常に大きな魅力となります。
しかし、そのメリットのみを理由として無理に個人再生を選択し、 結果的に再生困難な再生計画により再度弁済が滞ることになれば、 個人再生は破産に移行することとなりますので、 住宅を所有していても破産か個人再生かの選択は慎重にすべきです。
また、自宅に住宅ローン以外の担保が設定されていたり、 マンション管理費の滞納がある等、 住宅を維持する個人再生が利用できない場合もあります。
なお、個人再生は、破産と異なり、免責不許可事由がありませんので、 破産の手続きで免責不許可が懸念される場合でも、 個人再生であれば債務の圧縮が可能です。
*上記説明は、あくまで一般的なことを説明したものであり、例外が数多く存在します。ご自身で専門的な判断をされないようにお願いいたします。
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